REPORT NORIES CUP 2019

2019年11月10日(日)。平日でもバスアングラーが多く訪れる国内有数のハイプレッシャーレイク、なおかつ先日の動画取材でもカメラの前でロクマルが釣れたばかりというビッグフィッシュレイクでもある亀山湖にて、今年も「のむらボート オープントーナメント ノリーズカップ」が開催されました。 今年は関東圏でも雨による自然災害が目立ち、台風15号(9月9日)、台風19号(10月12日)、短時間集中豪雨(10月25日)と連続して大雨が降り、亀山湖にも大きな爪痕がいまなお残されており、崩落したての岩盤なども見受けられました。
また、大雨の影響だけでなく、11月らしく朝はひと桁台まで気温が下がって一気に冷え込み、日中には20℃近くまで気温が上がるほどに寒暖差が激しく、湖全域でターンオーバーの影響が見られ、水面は泡が浮き、水の色もかなり濁った様子。直近の大会結果や釣果情報でもライトリグによる釣果がほとんどという状況でした。
そういったタフな状況のなか、130名のアングラーがのむらボートに集結。会場の「のむらボート」だけでなく、協力いただいた「つばきもとボート」も貸し切りとさせていただき、過去最大規模でのノリーズカップ開催となりました。 そして田辺哲男を筆頭に、亀山湖のチャプタートーナメントなどで活躍する鶴岡克芳、房総のビッグフィッシュハンターでおなじみの城ノ上巧といったノリーズ プロスタッフが試合に参戦し、本気で試合に臨みました。
また、今回からは検量方法にデジタルウエイイン方式を導入。ライブウェルを使用せずに、当日配布の専用メジャーに釣った魚を載せて写真を撮影し、魚はすぐにリリースできる検量方法となります。バスは新たに放流することができない魚種のため、いま存在している個体をいかに残していけるかが将来のためには重要であり、そういったバスフィッシングの未来を考えたトーナメントの形として採用したトーナメント形式です。 前回同様に検量対象は「1匹」という、参加者全員に優勝のチャンスがある、最後の1投まで気が抜けない勝負。前情報通りにライトリグが上位を独占するのか?はたまたノリーズカップということでパワーゲームが結果を残すのか?結果が楽しみな幕開けとなりました。

伊藤 巧
田辺哲男 鶴岡克芳 城ノ上巧 伊藤 巧

Report

2017年以降、3年目となる11月開催のノリーズカップ。朝はかなり冷え込み、「今年初めて防寒着を着た」という声も聞こえてきました。
スタート前のミーティングでは、恒例となっている田辺プロからの状況予想と釣り方のアドバイスがあり、「この濁りすぎの水を見て、マディウォーター好きのみなさんでもさすがに愕然としたかもしれませんけど、釣れないことはありません。1本勝負ですから、1匹でいいので釣ってもらって、配布したメジャーをぜひ使ってください。一昨日来て釣ってみた状況は、水深が深すぎると濁りがもっとすごいのか、いまいちバイトが出ないんですけど、だいたい3mぐらいの水深が良さそうなんじゃないかという感じです。シャローにも魚はいるようなので、そんな状況下でこの濁りと戦ってみてください」。ということでした。
その他、ボートゲームをする上でのマナーについて説明していただきました。
続いて伊藤巧プロからレギュレーションの説明と、のむらボートさんから禁止エリアや注意事項の説明がされた後、試合開始! スタート時点での様子では、本湖方面へ向かう人と小櫃川上流方面へ向かう人の数は同じくらいか、若干本湖方面の方が多いくらい。事前の情報から、小櫃川や笹川といった川筋の上流へ向かう人が多かったようです。帰着時間は13時ということで競技時間は約6時間。笹川上流まで行くと移動だけでもかなり時間を取られてしまうので、実釣時間がさらに減ってしまうジレンマも。はたしてどの選択が正しいのか?結果が気になります。
写真撮影のためにのむらボート前から笹川上流まで様子を見て回りましたが、濁りや流木の影響か、本湖にはほどんど人影がなく、笹川エリアに一番多く船が浮いていました。その他は、カバーを撃っている選手が多かったように感じました。田辺プロは笹川上流でクリスタルS パワーロールをスローロールしており、鶴岡プロも同じく笹川上流エリアでエスケープツインのカバー撃ちを展開していました。見回りながら、参加選手に釣果を聞いて回りましたが、みなさん一様に「難しいですね」という様子でした。
13時が帰着時間でしたが、12時半ごろには帰着し始める選手がチラホラ。検量には130名中 29名がウエイインという結果になりました。のむらボートノリーズカップではデジタルウエイイン方式を採用するのが初めてだったのでトラブルなどの不安もありましたが、特にトラブルなく無事に全員が帰着完了し、ウエイインもスムーズに行えました。 今回はタフな状況でサイズが均衡しそうとの予想から、1ミリ単位での計測を実施。判定は田辺プロがキッチリとおこないました。実際、ウエイインのあった29名中、27名が30cm台で均衡していたので、1ミリで順位が変わる接戦となりました。
表彰式の前には、当日の亀山湖を攻略しきれなかったと反省する田辺プロ・城ノ上プロの2名によるセミナーが開催され、「ターンオーバーによる濁りを攻略するスピナーベイトのテクニック」というテーマで、「ターンオーバーの濁りに強いスピナーベイトの色」や「シルエットとレンジによるスピナーベイトの使い分け」「クランクベイトとスピナーベイトの違い」などの話をしていただきました。
セミナーと表彰式の後は、おなじみ豪華景品がたくさんの抽選会。つばきもとボートさんの無料宿泊券や、のむらボートさんが用意して豪華賞品が多く、会場は非常に盛り上がりました。

TOP 5 Angler's Pattern

順位 氏名 サイズ
1 山本 泰司 41.2cm
2 小澤 義一 40.1cm 
3 波多江 武臣 39.2cm
4 高橋 秀光 38.1cm
5 平野 浩崇 38.1cm

Winner 41.2cm 山本 泰司 選手

ネコリグとクランクベイトを半々ぐらいの割合で使ってゲームを展開していたものの、12時10分ぐらいまでは何も反応がないまま、最後に入ったのが水産センター対岸の川晴ワンド。ワンドに入って左側のオーバーハングが冠水したブッシュにラッテリーの2.5gネコリグを撃って、見事優勝のビッグフィッシュをキャッチしました。フロロ10lbラインを組んだベイトフィネスタックルを使用してカバーネコリグをやり、ほぼ表層に近い水深30cmぐらいの位置でそんなにシェイクもしないうちにすぐに食ったとのこと。口の奥の方にかかっていたそうです。12時10分にこのサイズをキャッチしたときには、“優勝”の二文字がうっすらと見えていたとお立ち台で語っていただきました。

2nd Place Prize 40.1cm 小澤 義一 選手

前日にプラクティスした感触から、とにかく1匹釣ることが重要だと判断し、朝イチからレイクサイド裏に入って水深5mレンジを3.5gロングリーダーライトキャロで攻略。結果、レイクサイド裏で3匹、赤壁で1匹の計4匹を釣って2位入賞に結び付けました。ワカサギも多いエリアですが、ワカサギは表層付近にいるので直接は関係なく、狙うのはボトムの地形変化に付きたいバスの回遊を捉えるイメージで丁寧にボトムを釣っていくことがキーとなったようです。

 

3rd Place Prize 39.2cm 波多江 武臣 選手

陽が出てきた9時半ぐらいの時間に、猪川入り口周辺で“沈む虫”を使ってこの状況を攻略したという波多江選手。エビを意識して、水深1m~1.5mぐらいのエリアに狙いを絞って1日攻め切ったとのこと。
田辺プロ「この濁りの中で、沈む虫なの?」 「ゴミが溜まっているところの少しでも水がいい場所には魚がいるかな?と信じてやりきりました」
田辺プロ「たしかに、ゴミが溜まっているところってちょっと水が澄んでるよね。でも、沈む虫って、沈むといってもあんまり沈まなくて表層直下でしょ?」
「水深があるのでネイルシンカーを入れてさらに沈むようにして、オフセットフックで根掛からないようにして使いました」

 

4th Place Prize 38.1cm 高橋 秀光 選手 ※同寸、エントリー順で4位

朝イチ、ダムサイトの近くにあるホテル下ワンドに入って、竹のレイダウンとオダやゴミが絡んでいる複合的なカバーで、竹のレイダウンの先端にビッグエスケープツインをひっかけて37cmをキャッチ。その後しばらくは何もない状況が続き、暖かくなりだしたタイミングに、笹川上流のどんどん裏入り口に新しくできた崩落の水深50cmぐらいのエリアでカメラバ4g + スイッチオントレーラーで38cmの魚を釣り、帰着となりました。
田辺プロ「さすがノリーズカップをわかってますねー! しかも37cm、38cmと2本ともいいサイズをキャッチして。おめでとうございます!」

5th Place Prize 38.1cm 平野 浩崇 選手 ※同寸、エントリー順で5位

カラス宿の崩落周辺を3.8”ギル系ワームの5gテキサスリグ狙ったところ、7時半ごろ(出船後すぐ)釣れたのがこの魚でした。カバー際ではなく、2mぐらい沖の中層でシェイクしたらひったくるようなアタリがありました。かなり濁っている状況なので音でもアピールをさせるためにシンカーとワームの間にビーズを入れて、音が鳴るように加えたひと手間が結果に結び付いたようです。
朝イチすぐに釣れたものの、その後はアタリもなく、帰着となりました。

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